秋分

令和6年の秋彼岸お中日を迎えました。連日の猛暑を掻い潜って辿り着いたような気持ちにさえなりますが、今日も今日とて朝からジットリと高温多湿な1日です。
乾いた風を感じられるのは、まだまだ先のことでしょうか。一昨日あたりからぶ厚く暗い雨雲が列島全域にかかっております。
数日前から発生していた台風14号は東シナ海をわたって北上、中国は上海あたりに上陸しましたが、その直後で急に踵を返して日本へ向け東進。昨日中には島根沖で温帯低気圧に変わり暴風域は消え台風ではなくなったものの、大量に引き込んでいた暖かく湿った空気がそのまま線状降水帯を発生させ、そのまま向かった先の石川県に於いて豪雨被害に繋がりました。
現在、特に能登半島北端の輪島市や珠洲市は目を覆いたくなるような惨状です。

未曾有の災害、誰にとっても他人事ではありません。今日までのあたりまえは、明日のあたりまえを保障するものではないのです。
神仏やご先祖さまにお参りをしながら、我が身が今ここに生きていられる有り難さ、そして家族や友人と共にこの世を生きられる喜びを、どうか心から感じてください。

かけがえのない今日を大切に、命を無駄にせず真摯に生きましょう。合掌。

立秋

八月盆の只中で、我が日本にとっては太平洋戦争の終戦記念日でもある本日。灼熱の太陽が照りつける真夏の日々を越え、今年もこの日を迎えました。
例年毎祭、東京は日本武道館での全国戦没者追悼式、今回もインターネット上で拝見しました。
変わりゆく時代と変わらぬ政治体制、そして彼の国に於いての未だ止まぬ戦禍などを目にしますと、これからの世の中を支える立場として、その趨勢にただならぬ不安と責任を感じます。
当山の近隣にもいくつか英霊碑があります。東京だけでなく全国各地でも戦災慰霊の行事が営まれますが、例に漏れずこの地域でも以前は遺族会が中心となって慰霊祭を行っていたようです。
しかし、当然にその方々も高齢化が進み、今となっては維持管理自体が立ち行かなくなって、傷んだ石碑ばかりとなりました。
高齢化だけでなく、日本は同時に子供が少ない時代がこれから永く続きます。そこで何を記録で残し、どうやって大事な記憶を繋いでいくか。我々は皆でこの問題から目を逸らさず、個々のレベルでも考えていくべきだと思います。
来年は終戦80周年という大きな節目を迎えますが、例えばそれまでにどんな出来事が起こるか、未来は誰にもわかりません。
目の前にある今、「ごく平凡な日常」がどれほど有り難いものか、手を合わせ、時には振り返る時間が我々には必要でしょう。

当山の地域は七月盆でご供養なさっている方が大半ですので、先月ほどではありませんでしたが、盆の入り13日からは大勢のご参拝をいただきました。
まだまだ暑い日は続くと思いますが、熱中症に注意しながら仕事にプライベートに、存分に邁進していただければと存じます。合掌。