桃の節句

先の予報通り、比較的暖かな月初となった3月です。
例により同時期に、花粉が大量に舞い始める頃でもあるわけですが、皆様は大丈夫でしょうか。
私事ですが副住職はここ数年、年が明けてから4月いっぱいまで、点鼻薬の毎日です。

閑話休題、本日は「ひなまつり」ですね。大小さまざまな段飾りや吊し雛など、お家ごとに特徴のあるものが、あちこちで飾られていることでしょう。
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それこそ最近は、新調するにあたって大きい物はあまり選ばれないようですね。
生活スタイルやスペースの変化などに合わせて、店頭では小ぶりな、または簡易的なお飾りが目立って並んでいるように見受けられます。

その発祥や意味を調べてみるのも面白いですよ。
文化の源泉は中国、日本に伝わってからは平安のお公家様たちの遊び、そもそも誰しもが行う一般的なお祭りになったのは徳川幕府の時代からなので、庶民にとっての歴史は比較的浅いわけです。
お内裏様とお雛様のポジション(座位)も、地域によって違うそうですね。
実はこれ、結婚式の高砂の組み方とか、皇室の方々の公的な場での並ぶ位置とか、我々が普段意識していないところに慣習の関係があります。
(ところで白酒や菱餅を実際にいただいた経験がないのですが、あれは美味しいものなのでしょうか。ひなあられは子供の頃に好んで食べていた記憶です。)

準備も後片付けも含めて、ご家族の皆さんで和気あいあいと楽しんでください。
お飾りにとって年に1度のお目見えの日ですから、きっと喜ばれますよ。
昇運来福、合掌。

臘月8日

本日はお釈迦様がお悟りを開いた日、開悟成道に達した日です。
長年の苦行を越え、菩提樹のもとで坐り、いよいよ真理に目覚めた瞬間であります。
全国のお寺様では、そのご功績を讃え成道会「じょうどうえ」を行っております。
ある程度の規模で坐禅堂を持っている禅宗寺院の中には、今日までの数日間、修行者を一堂に会して、集中的な坐禅勉強の期間にしているところもあります。
さらに一般の参禅者も対象に、泊まり込み合宿のようにして厳粛なスケジュールを組んでいるお寺様もあり、それはいわゆる「修行道場」に当たりますが、曹洞宗ですと永平寺や總持寺といった大規模のお寺様です。

私共が日々当たり前のようにいただいている「仏教」の源泉は、今から凡そ2,500年前の今日より発現し、世界中へ流布して行きました。
目に見えないところで大きな支えを成している広遠なその教えに感謝を申し上げながら、自己研鑽を今一度心掛けて毎日を生きて行きましょう。

成道会は三仏忌のひとつとして、いずれ特集を組んで紹介するつもりです。ご期待ください。合掌。